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浅草寺でひときわ目立つ、「五重塔」に行ってみよう
浅草寺でひときわ目立つ五重塔。どのような目的で建てられたのか、中はどうなっているのか等の情報を紹介しています。
浅草寺の敷地内に建つ五重塔は、外国人観光客に大人気のスポットです。さて、そもそも五重塔とは一体何なのかあなたはご存知ですか? その成り立ちから学んでみましょう。
そもそも五重塔とは?
五重塔とは、浅草寺に限らず仏教寺院の多くに建設される仏教建築です。仏舎利塔(ぶっしゃりとう)ともよばれ、仏教の神様であるお釈迦様の遺骨を納めています。仏教の発祥地であるインドではドーム形をしていましたが、中国に伝わる過程で現在の塔の形へと変化しました。
五重塔はしばしば、落雷や火災によって焼失してしまいます。一方で、地震ではめったに倒れません。これは心柱(しんばしら)という柱を利用した方法で建てられているからです。五重塔の真ん中を貫く心柱が全体を支えてくれるので、地震で大きく揺れても倒れづらいのです。非常に耐震性に優れているため、この技術は東京スカイツリーにも応用されています。
浅草寺の五重塔とは?
日本で最も有名な五重塔のひとつが、浅草寺の境内にある五重塔です。その高さは約53.32mで、ビルでいうと15~20階だてに相当します。
浅草の五重塔は西暦942年に建てられたと言われています。江戸時代には寛永寺、池上本門寺、芝増上寺にある五重塔と合わせて「江戸四塔」と呼ばれ親しまれてきましたが、太平洋戦争の時の空襲で一度焼失してしまいました。いまの五重塔は焼失した後に場所を改めて建て直したものです。現在元の場所には石碑が建っています。
浅草の五重塔、中には何があるの?
浅草の五重塔の中に入ることができるのは年に3回、永代供養(※1)を申し込んだ人とその家族のみです。普通はなかなか見ることができませんが、実はその内部にはいろいろな部屋が用意されています。
※1 永代供養:お墓参りに行けない家族に代わって、お寺や霊園が「永代(永遠)」に管理や供養してくれるお墓
霊牌殿
塔の一番下は、塔を囲むように作られた塔院になっています。塔院には一室ごとに一体の観世音菩薩像(※2)があり、全体では計100体の観世音菩薩像があります。その周りには信者たちを供養する位牌(※3)が置かれ、その数は現在では1万個以上とされています。
※2 観世音菩薩(かんぜおんぼさつ):人々を苦悩から解放する神様
※3 位牌(いはい):死者の法名(死んだあとの名前)を書いた長方形の板
聖仏舎利
塔の最上階はお釈迦様の遺骨が納められている場所です。この遺骨はスリランカのイスルムニヤ王立寺院から正式に譲り受けたものです。
また2階から4階には信徒の休憩室や寺務所などもあります。
存在感たっぷりの夜の五重塔
五重塔は雷門、宝蔵門と共に毎日日没後にライトアップされています。朱色を最大限に活かす方法でライトアップされ、ひときわ存在感を放っています。昼とは違った顔を見せる夜の五重塔を見に行ってみてはいかがですか。
参考記事:ライトに照らし出される五重の塔は圧巻 夜の浅草寺散歩
公式HP:浅草寺
Information
浅草寺五重塔
住所 :東京都台東区浅草2-3-1(浅草寺)
営業時間:毎日日没~PM11:00
諸堂は午前6:00開堂~午後5:00閉堂 10月~3月の開堂は午前6:30~
最寄り駅:各線浅草駅
アクセス:各線浅草駅より徒歩5分
電話番号:03-3842-0181
公式HP :浅草寺
1995年生まれで東京外国語大学生です。言語を学ぶことが好きで、大学ではフランス語と英語、あと中国語を学んでいます。